Day4.password

私がこれを書く場所を、ここに決めたのはいくつか理由がある。1つは、多くの人に内容が知られてはいけないからだ。多くの人が読み、混乱し、迷い、誤った行動をするのを避けるために、細々と、今、書いている。私が生きている現在に至っても、それを解決する方法は見つかっていないため、私たちはどうすることも出来ないのだが、貴方はそれまで十分に時間がある。

もう1つは、パスワードだ。大勢に読まれることのない場所、それでも、誰かに伝える場所を探していた時、このサイトを見つけた。そして、内部への侵入が容易だった。ソフトを使用し、ほんの数秒で潜り込むことが可能だった。このサイトは、ブログの更新頻度が少なく、読者も少ないだろう。全てが丁度良かった。

もう4日目だ。4日目になり、少しずつ身体が臭い始めた。一度潜水してしまえば、換気は難しい。船内は狭く、入浴施設もない。食事の際に出たゴミや排泄物は、そのまま海に捨てている。潜水艇の後方には、廃棄するための設備がある。設備と言っても、二重扉になっているシンプルなもので、内側の扉を開け、ゴミ・排泄物を入れ、扉を閉めて、外側の扉を開けるためのボタンを押す、というものだ。銀杏の葉の形に、ウイルスのように船外に撒き散らされる廃棄物は、船のライトに照らされて、美しく輝き、まるで私がこの海の中に星を創り出しているような感覚になる。

汚いものは、自分に害がなければ、綺麗なものに見えてしまう。海の中の生物たちは、雛鳥のように、ただ口を開いて、廃棄物を食べていく。与えられたものを、疑いもせずに、飲み込む。小魚たちが一斉に群がり、小魚目当てに、大きな魚たちが次々とやってくる。一時的で人工的な食物連鎖の世界を、狭くて臭い船内から、私は見つめている。何もいなくなるまで、ひたすら眺めている。