Day21.end

明日、全てを終わらせるために、今日の私は存在する。

ずっと考えてきたこと。受け取った愛を、ちゃんとその人たちの元へと返すように、昨晩はひたすら祈りを捧げていた。今更その人たちを愛しても、もう遅いし、それに件の感染症が発症するわけでもない。だから、どれほど愛する気持ちを持っても、私はその人たちの所へは行けない。”愛を返さない”という罪深い行為を、私は償うことは出来ない。

「愛する」という感情、そしてその行為は、誰にでも、どの動植物にも、命がないように見える物体においても、等しく持つことを許されている。返すかどうかは自分自身ではあるが、私においては、もうほとんど罪だったと言える。愛には限りがある。相手がいなくなってしまったら、どんなに愛されていたかの証拠が残っていたとしても、現実世界に残されたその人は、これまで目印にしていた光を失ってしまうことになる。今の私のように、自らの僅かな光だけで、暗い暗い海の中を進んでいかなくてはならない。暗闇を彷徨うことが怖くて、愛することから逃げていたのだけれども、こうして海の中に逃げてきて、私は、誰を愛したいか分かった気がする。

今日で私は終わる。これまでの私は、今日で終わる。もう終わらせたい。

明日はきっと新しい私がそこには居るだろう。

深海のずっとずっと遠くに、小さな光が見えた。比喩でも何でもなく、本当に小さな光が、目印のように見えた。