Day1.hawk

海に出る前、最後に目にした人間以外の生き物はカモメだった。頭上を小さく旋回するカモメたち。よくある「鳥になりたい」というフレーズにカモメはきっと含まれていないだろう。誰からも憧れることのない生き物。この世界の生き物のほとんどがそうである。私たち人間が、「あの人みたいになりたい」と思うように、カモメも、例えば「鷹になりたい」などと考えたりするのだろうか。彼ら、あるいは彼女らの飛び方からは、憧れや嫉妬の気持ちはないように見えた。ただ空気の中をひたすらに飛んでいる。

名乗るのを忘れていたが、名乗りたくはないので、このまま書き進めよう。年齢も、性別も、見た目も、その人を決めるための材料にして欲しくない。されたくない。ただ、あまりに何も分からないというのは面白くないので1つだけ。今、私は潜水艇の中に居て、船内の微弱な電波を頼りにこのブログを書いている。ついでにもう一つ言うと、もう海から浮上するつもりはなく、食料が尽き、体力が尽きたら、当たり前のようにこのブログが終わってしまう。更新が終わったら、“そういうこと”だと思って欲しい。

自由に飛んでいける羽はいらない。鳥にも魚にも、人間にさえも望んでなりたいとは思わない。綺麗な、真っ白な、新しい世界で生きていけるのならば、何にでも。

今日は初日ということもあり、もう疲れた。暗いガラスに少し明るい私の顔が反射したが、すぐに見ないようにした。おそらくまだ、私の顔は私の顔だった。また明日書こう。明日からゆっくりと書いていこう、全てを。