Day19.red

手首に浮き出た血管が青い。そういえばしばらく見ていないが、この潜水艇も青かった気がする。

「愛する」という言葉を色に変換すると、赤色をイメージする人が多いと思う。それはおそらく、ハートのマークが赤いから。そして、それは血の色が赤いことに起因していると思う。だから、私はあまり赤色が好きではなかった。

今の私は、黒色の世界ばかりを見ている。船内も船外も基本的には黒色だ。時々、視界の中に捉えているものを、色として認識する。私の住む家や、私の身につけている物、私の近くにあるもの、私が気に入っているもの、の中に、今思うと、赤色が少ないように感じる。

それは、人間に対してもそうで、赤い糸も私にとっては、青色だった。私と相手とを繋ぐ糸がどれも青く見えてしまっていた。でも、私は赤色に憧れていた。誰かを好きになって、誰かに好かれたかった。ずっと、「愛」に憧れていた。それに気づかないように、傷つかないように蓋をして、心の深い部分に沈めていた。深く深く沈めた。

そして、愛するということが出来なくなった、私の生きている地球。もう誰かを好きになりたくても、誰かに好かれたくても、それは叶わない。貴方が住んでいる世界はまだ違う。いずれこういう世界が来てしまうとしても、今はまだ違う。人を好きになれる、ならば、貴方は何にでもなれると思う。

赤い気持ちを纏わせて、誰かに伝えることが、自然とできるこの青い地球で、貴方は今、何を感じて、何を考えながら生きていますか。