Day14.umbrella

傘を差す日は極力少ない方が良い。かといって、毎日晴れて欲しいわけでもない。その日の天気によって気持ちが左右されてしまう私に、雨はあまりにも辛いというだけの話で、雨を求めていないわけでもない。

海の中は、雨が降っている。雨粒は見えないし、雨音も聞こえない。だから、これを雨だと考え難いのかもしれないが、大きな一つの雨粒に覆われていて、その雨粒と一緒に落下していると考えたら、想像しやすいのかもしれない。

天気を自分で選ぶことは出来ない。とても当たり前の話だ。同時に、天気に対する自分の行動まで決まってしまうことに、許せない気持ちを感じる時がある。従うしかないという力の弱さに、反発しようとも絶対的な相手がいることに、相手の存在が大きすぎてこちらの感情のみが一方通行してしまうことに。

今、こうして雨の中に居て、初めて、雨は意外に好きだった、と気づいた。雨があまり好きではない理由が、傘を差すという行為にある。傘は、人との距離を遠ざけてしまう。パーソナルスペースを視覚的に表している道具だと思ってしまって、その印象が拭えない。

海の中では雨が止むことはないが、地上ではいつかは晴れる。愛を可視化してしまう雨が憎くて、負けたくなくて、いつも雨上りには、水溜まりを思い切り踏んでいた。今の私のこの気持ちは、どう晴らせばいいのだろう。食べて、寝ることしか思いつかない。